30代おじさんJICA海外協力隊でタイ生活

30代後半から海外転職を考え辿りついたJICA海外協力隊。海外ボランティアとしてのタイの2年間の記録。

タイ生活から学ぶ転職初期をストレスに感じない方法 

新しい環境で認められるための「努力」と「信頼」

 

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誰もが完全アウェーの空気の中、新しい環境に入り込んでいくことは大変だと知っていることだと思う。

 

学校でも職場でも、そのアウェーな感じにどう馴染むかはによって様々だが、自分はこれまでの人生で自分を出せずにアウェーな時間が長い方だった。

 

実際に転職に関するアンケート調査でも、転職1か月~3か月の間にストレスを感じた人は80%以上いるという結果が出ている。

 

引用元:転職に関するアンケート(パーソル株式会社)

 

海外で生活することは言語も文化も違う完全アウェーなのだが、それを乗り越える方法がこれかもしれないと言うことに気が付いた。

 

それは、「努力」を積み重ねて、誰かの「信頼」を得るという事だと。

小さなことでもいいと思う。

転職した場合であれば、「毎朝気持ちよく挨拶する人」「電話を取るのが早い人」「遅刻しない人」と言う事でも信頼を十分得られると思う。

信頼を得る行動すべては、意識して努力する必要がある。

自分の場合は、「タイ語の歌を一生懸命に覚える日本人」だった。

タイ語の歌を覚える「努力」

 

タイの病院に赴任してから3か月弱。

 

赴任最初の週からほぼ週2~3回のペースで、ウクレレの弾き語りを続けている。

 

最初はボランティア活動の事でわからなくなったら協力してもらえるカウンターパートと言う存在から、言われるがまま始めたものだった。

 

今では、何も言われなくても患者がそこにいれば自分から勝手にライブを行っている。

 

言われるがままやっていた「消極的」から勝手にやり始めた「積極的」に変わったのは、自信がついたからだ。

 

当初は、日本語文化紹介と称し、JPOPや童謡をずっと歌ってきた。

 

しかし、いかんせんそこにいる患者の反応が悪い。

 

当たり前だが、タイ人が知らない日本語の曲を歌われても盛り上がるわけがない。

 

1か月以上日本語の歌を歌い続けていたが、ずっと盛り上がりの無さにモヤモヤする時を過ごしていた。

 

そんな中、同僚達から「タイ語の歌は何か歌えないの?」と度々言われるようになった。

 

自分は「タイ語の歌は知らない」「歌えない」「難しい」と答えていた。

 

でも、一曲でもタイ語の歌を覚えるとちょっとは盛り上がるかな?と思ったのだ。

 

そこからまず、同僚にタイ人の誰もが知っている曲を教えてもらうこと、その曲のウクレレコード(CとかGとかF♯とかBmとかいうやつ)が乗っているインターネットサイトを調べてもらったりした。

 

まず、ここで期せずして同僚とのコミュニケーションが増えた。

 

紙にタイ語を書き写し、何回も発音の練習を重ねていよいよタイ語の歌を披露したのである。

 

すると、思った以上に反応が良く「タイ語の歌うたえるんだ!日本人なのにすごいね」なんて声をかけてくれるようになった。

 

「努力」が報われて、一歩活動が前進した気がした瞬間である。

 

タイ語の歌を歌える「信頼」

一曲覚えると、「次はこの曲どう?」なんて同僚も進めてくるし、自分も楽しくなってきて、タイ語の勉強にもなるし良いと感じ、どんどん覚える曲が増えていった。

 

バリエーションを増やし、タイ語の曲をどんどん歌っていくと、声をかけてくれる同僚も次第に増えていくという相乗効果がでてきた。

 

改めてタイ語の発音を再確認する機会にもなっていった。

 

ある日小学校へ訪問した時に、同僚とそこの学校の先生が話していて、ふいに自分に対し「日本人の方なら、今のタイ語の会話ついて行けないでしょう?」なんて言われた。

 

同僚はその先生に対し、「いや、彼はタイ語をすごく勉強していて上手ですよ!タイ語の歌だって歌えるんですから」なんて返してくれた。

 

この同僚の言葉を聞いて、コツコツやってきた「努力」が同僚の「信頼」に結びついたのだと嬉しくなった。

 

そしてその学校の先生は「それなら今度音楽の授業として子供たちの前で歌ってくれたら」なんて言っていた。

 

実現するかどうかはともかく、一つの事を頑張っているとその先にいろんな活動の選択肢が広がる可能性があることを実感した。

 

お客様からビジネスパートナーへ

 

赴任してからずっと「お客様」扱いされていると思っていた。

 

仕事ではなくあくまでボランティアなのだから、タイにはるばる来た日本人としてもてなされている。

 

その関係は一見、親切で心地よい気もするが、どこか遠い感じにも思えた。

 

しかし「努力」と「信頼」をちょっと感じ始めた現在では、少しその遠い距離が縮まっている気がする。

 

「お客様」ではなく「ビジネスパートナー」の一人として、認められていると。

 

この感覚は海外で働いている環境に限ったことではないと思う。

 

例えば、転職して最初の時期に同僚から、どんな人なのか、どれだけ仕事ができるのか様子を見られてよそよそしい関係が続く。

 

その時期を脱却するには認められるための何かを残さなければいけない。

 

その際に、自分の強みを何か持っていてそれを発揮できる事が同僚の「信頼」を得る方法だと思う。

 

もう一度言うが、小さなことでもいい。

 

「毎朝気持ちよく挨拶する人」「電話を取るのが早い人」「遅刻しない人」。

 

自分の場合は、「タイ語の歌を一生懸命に覚える日本人」だったが、なにか自分の継続して努力できることを見つけておくと、転職の初期から良好な関係が築ける気がする。