フラットな心
海外協力隊派遣前の訓練所では、「赴任後3か月から半年したら、必ず気持ちが落ちる時期が来ます」と言われる。
環境に慣れ始めてから、自分の思うような活動がしたいときに思うようにいかない事も出てくるのだろうとは思うのだが、タイに来てから約3か月、任地に来て2か月が経過。
私はいまだ、気持ちが落ちることはない。
日本にいた時は仕事はストレスのかたまりだった。
職場に行けばめまいや吐き気、耳鳴りがし、一歩職場を離れれば通常に戻るという生活を送っていた。
しかし、この地に来てフラットな心を保てているのは、変に自分に期待していないからだと思っている。
海外協力隊員として「気持ちが落ちる」のは、自分の経験や力を何とか途上国の人に生かしたい!と言う高いモチベーションを持っていった人ほど、「思っていたのと違う」と深みに陥るのではないかと思う。
もちろん、私が海外協力隊を応募した当初や訓練所での生活の中では、同じように高いモチベーションも持ち合わせていた。
それでも、どこか自分の出来ることには限界があるし、なんでも知ってるわけではないし、こちらが学ぶことも多いだろうという気持ちもあった。
正直現時点では、一方的に学ぶべきことばかりである。
自分の知識を活かして何か活動できたかというと、目立ったことはしていない。
病院という配属先の中で、コロナの影響により本来の活動ができていないのもあるが、ここで今、変に自分から動きだしても何もできる事はないのだろうと、半分冷めているいや客観的に見れている自分がいる。
もし、「気持ちが落ちる」時が来たら、私は相談できる同国隊員や訓練所での同期達がいる。
同じ境遇にあり、立ち止まったら相談できる相手がいるという安心は、「気持ちが落ちる」のを改善できる方法の一つだと感じる。
さらに、異国の環境にいるからこそしか観れない景色や食べられない物などを、探し求めるのもまたいいだろう
。
そうして、自分と向き合い、環境と向き合い、国に向き合う。
海外協力隊は、いろいろ考えさせてくれる。