30代おじさんJICA海外協力隊でタイ生活

30代後半から海外転職を考え辿りついたJICA海外協力隊。海外ボランティアとしてのタイの2年間の記録。

考えるより動け!海外生活で必要な考え方

一生のうちで一度は海外で生活してみたいな・・・なんて言う考えを持つ人は結構いると思うが、どれだけの人が実際に動き出すのだろう。

仕事は辞められないし、家族を置いていけないし、外国語は得意ではないし、危険が多いだろうし・・・色々と考えることはある。

しかし、動き出したからこそ見える景色を伝えたいと思う。

傍観者は居ないと同じ

日本に居れば、集団の中で輪を見ださないように目立たないように、職場のイベントには積極的でも消極的でもない姿勢をとる当たり障りのない存在である。

そんな存在の日本人が海外の集団の中に入ると、存在しないのと同じになる。

自己主張をし、自分がここに居ることを示さなければ、誰も気がついてはくれないのだ。

先日、職場でスポーツ大会が行われた。

職員たちが3チームに別れ、色々な競技を行うのだが、その競技は、自分から手を挙げて参加するシステムだった。

つまり日本のように、全員が参加できるようにあらかじめプログラムを組み、メンバーを決めておくようなことはしない。

手を挙げて前に出たもの勝ちなのだ。

自分の立ち位置として、ボランティアであり職員でないという考えからなかなか前に出て参加することはできなかった。

ただ、そんな考えを持つ人は基本的にこのスポーツ大会には参加できない。

「やりたい」と自分から言わなければいけないのである。

もちろん、そこに居る以上、何かしらの競技に参加したいと思いながら競技が進む様を見ているのだが、「やりたい」となかなか言うのが難しい。

次にどんな競技が行われるのかわからないからである。

一応タイ語で書かれた予定表は持っていたが、タイトルだけでは何とも理解しがたい。

何をやるのか不安な状況では、参加できない。

と、終始このようにやりたい気持ちがあるけど、誰かが誘ってくれなければ参加できないという考えを巡らせた結果、何にも参加せずただ黙って座ったままスポーツ大会が終わったのだ。

弱き日本人気質

これではつまらない。

一応、無料で配られたアイスやクレープや弁当によって、少し「参加してよかった」という気持ちにもなれたが、スポーツ大会に出席してただの傍観者で終わるのは、なかなかの消化不良である。

このまま、帰ろうかとも思ったが、午後からもイベントがあった。

バドミントン大会。

大学のサークルで3か月だけバドミントンをかじったことがある自分にとっては、これもまた参加したい競技の一つだった。

しかし、バドミントン大会に参加する職員たちは皆、マイラケットを持参している。

この日のために練習を積んできたのだろう。

自分はというと、このイベントが行われることを知ったのは前日。

しかも、「スポーツ大会があるよ!」という言い方ではなくて、「緑色のシャツ持っている?」である。いきなりそんなこと聞かれてもなんのこっちゃわからない。

「緑色のシャツ持っている?」はすなわち「緑色のシャツを持って緑色チームとして、明日のスポーツ大会に参加する?」という事なのだった。

言葉が足りなすぎる。

イベントごとは大体こんなもんだ。

何の準備もできないわけだが、その場で意志を示し、積極的に参加して行かなければ何事もつまらなく感じるのである。

変わる自分変わる同僚

結局、自分はバドミントン大会に出場することができた。

同僚の一人が何の競技にも参加していない自分のことに気が付いてくれて、気にかけてくれたのだ。

バドミントン大会に参加するように促してくれて、ダブルスを組む相手を探してくれて、練習相手も教えてくれて、大会に出場することができた。

これが、1年半この環境で過ごして成果なのかもしれない。

誰かが自分の存在に気が付いて、助けてくれるようになった。

こんな素敵な同僚がいるのだから、消極的な自分から脱却して、少しでもこの同僚と価値のある活動をしていこう!

そんな風に思った日だった。