30代おじさんJICA海外協力隊でタイ生活

30代後半から海外転職を考え辿りついたJICA海外協力隊。海外ボランティアとしてのタイの2年間の記録。

タイに住んで1年の報告とタイ最大級スラムに行って感じた貧困

海外ボランティアとしてタイに来てから1年が経つ。

 

1年前と言えば、タイでもコロナの影響がまだ色濃く残っていて、観光客はほとんどおらず、人気の観光地も閑散としていたものだ。

 

今回、1年経過したということで、中間の報告をするためにバンコクへ上京した。

 

バンコクの観光地 ジムトンプソンの家の現在

久しぶりにバンコクへ行くと、1年前とは比べ物にならないほど、人(観光客)が多くてコロナ前の賑わいに戻っているように感じる。

 

1年というのは、それだけ時代の変化を感じられる期間なのだ。

 

隊員達の前で中間報告

現在タイに派遣されている隊員は23名。

 

隊員その他、JICAタイ事務所や他機関の方も出席の中、この1年間の活動を報告した。

まぁ、20分の持ち時間に1年のすべてを伝えるのは難しかったが、おおむね好評を得た報告だったので安心した。

 

報告内容を簡単に言うと、日本にいる時から思い描いていたほどうまく行かないことが多いのだが、それでも、色々もがいていれば小さなことでも結果が付いてくるということだ。

 

前向きにできる事が何か一つでもあれば、それは自分の存在の意味があったと思うことにしている。

 

と、いろいろ考えたり感じたりできるのが海外協力隊なのだが、報告会で数か月に1度集まる度にいつもいろいろな刺激がある。

 

日本に住んでいるだけでは感じられない「マイノリティ」としての存在を言う隊員もいる。

 

日本にいた時に比べて体調を整えるのが難しくて、食生活等を工夫している隊員もいる。

 

悶々として思うようにいかない毎日を送っていると言う隊員もいる。

 

みんな、いろんなことを感じ、いろんな経験をし、貴重な毎日を送っている。

 

自分は、もう住んでいるだけで影響を与えることができているとさえ感じている。

 

そこで、日本人が自国の言語でなんとか会話し、コミュニケーションを取ろうと奮闘している、その姿を見せるだけでも、その地域に影響を与えているのではないかと。

 

人の考え、環境を大きく変えるのは難しい。

 

でも、一人を笑顔にすることは、いちボランティアでもできるのではないか?そんなことを考えながら生活している。

 

タイ最大級のスラム街見学

今回のバンコク上京では、タイの社会を改めて考える機会もあった。

 

タイで一番大きいとされるスラム街クロントーゥーイ地区の見学だ。

 

シーカーアジア財団という団体が、この地区の支援を行っている。

 

詳しくはこちら:シーカー – シーカーアジア財団 (sikkha.or.th)

 

印象としては、スラム街と言えど労働して賃金を得て、賃貸住宅に住んでいるという構造の家庭がほとんどなのだが、その密集している住環境や、タイ人以外が住んでいる状況など、いろいろ考えさせられるところもあった。

家の造りを見れば、自分の住んでいる地域の隣とかも似た構造なのだが、狭い路地がたくさんあって迷路のようであり、その地区に住む人しか入れない学校があったりと、いろいろタイの社会構造を勉強できた。

この地区におよそ10万人が住んでいるという。

実際に2人の住人に話を聞いた限りは、この地区から引っ越したいという希望はなかった。

貧困と幸せ。

自分たちとは価値観が異なっているのかもしれない。