30代おじさんJICA海外協力隊でタイ生活

30代後半から海外転職を考え辿りついたJICA海外協力隊。海外ボランティアとしてのタイの2年間の記録。

タイの幼児教育はどんな感じ?

最近、タイの幼稚園に訪問することがある。

その中で公立の幼稚園と私立の幼稚園、両方とも訪問する機会があり、双方を比べてみるといろいろ気が付くことがあったので考察する。

整列に見るタイの公立幼稚園と私立幼稚園の違い

日本では公立の幼稚園であれば「自由でのびのび」、私立の幼稚園であれば「独自の幼児教育」といったイメージであるが、簡単に言うとタイでも同じことが言える。

公立の幼稚園では、自由に走り回り遊んでいる子どもたちが目に付く。

私立の幼稚園では、例えばボールとカラーコーンを使って目的に沿った運動を行っているのを見た。

私が、幼稚園に訪問しているのは衛生教育のためで、一人一人に体を清潔に保てているか爪の長さや形、耳垢、虫歯、頭のダニやシラミ、皮膚アレルギー等があるかないかを診ていく。

一人一人を診ていくために整列してもらうのだが、その整列に公立と私立で差が出ているなぁと感じた。

公立の場合、自由でのびのびと育っているがためか、幼児が規律を守った整列をするのはなかなか難しいように見えた。

何度か先生が呼びかけることでようやくなんとなくまっすぐに並ぶことができるのだ。

そしてあまり待てない。

一方、訪れた私立の幼稚園は、先生の一言できちんとした整列(日本で見るような)や一同で声をそろえた感謝の言葉「ありがとうございました」などは揃って言うことができる。

教育の差がどこにあるかは短時間訪問しただけでは計り知れないが、一つに先生の能力にも関係しているように見える。

この私立幼稚園では、幼児期からの英語教育も行われているようで、それにはしっかりとした英語教員がいるという事である。

中には、タイ語はほとんど理解できず、英語だけを話せるという子どもがいるのだが、それでも受け入れられるのが私立なのだと思う。

日本人にできてタイ人にできない?

幼稚園を訪問していて思い出したのは、以前、村の小学校を訪問した時に先生が、「日本人はきれいに整列できて素晴らしい。タイの子はなかなかきれいに整列できない」と言っていたこと。

この先生が教えているのは公立の学校である。

「タイ人はできない」のではなく、公立と私立の教育の差によって「整列ができない」ことが生じるのかなと、改めて思った。

どちらが良いとか悪いとかではない。

公立ののびのびとした雰囲気で学ぶ教育も自分は好きだ。

公立か私立かを選ぶにはやはり金銭面が関わってくることなので、やはり「教育=お金が必要」と感じざるを得ない。

親にお金があれば高度な教育を受けられて収入の高い職業に就きやすい、親にお金が無ければ基本的な教育は受けられるが就く職業は限られてくる。

これが途上国の貧富の差が連鎖する理由なのかなと改めて思う最近である。